#ヨコヅナサシガメ #オオトビサシガメ #オオヘリカメムシ
前脚ノックの謎
昨年5月末に亡骸を見つけるまで、森にヨコヅナサシガメがいることは知らなかった。亡骸を見つけたあと森を見て回ったが、生きているヨコヅナサシガメは発見できず (T.T)
情報によると、ヨコヅナサシガメは大木の樹上で暮らしているそうで、少なくても成虫の生活を垣間見ることは難しそうだ。
ヨコヅナサシガメの観察ができるのは産卵期(6月ごろ以降)と孵化(8月以降)してから ;^_^)
梅雨から夏の暑い盛りにかけ、森を歩くたびヨコヅナサシガメの卵鞘を探したが見つけられず、はたまた孵化の場面など到底見つけられるはずもなく、時間だけが過ぎていった・・・。

季節は飛んで今年の3月初め。木の幹に、樹洞のような黒ずみがあることに気づき、近づくとそれは越冬したヨコヅナサシガメの幼虫(5齢幼虫)の集団。

この幼虫の集団、例えは良くないが一見 ” 佃煮 ” のよう・・・。数はとても数えられそうにない (゚o゚;



幼虫たちは日差しがある日は ” 越冬場所(住まい) ” の周りを歩きまわり、夕方には ” 住まい ” に戻って集団生活に戻る生活のくり返し。

ヨコヅナサシガメの幼虫は集団で獲物を襲い、食すると聞いていたし、幼虫が日に日に大きくなっていることは確かだったので、ならば幼虫が集団で行う狩りはいったいいつ行われているのだろうと考えた (?_?)

狩りは『まさか、夜 !?』。
と言っても、森に朝から晩まで張りついているのは不可能。そして夜間観察はワタシには無理な話だ (T.T)


ある日、群の中に成虫になりたてのヨコヅナサシガメと一緒に羽化してまもないヨコヅナサシガメ、そして羽化が始まったばかりのヨコヅナサシガメを見つけた。待ちに待っていた瞬間だ v(^o^)v
5齢幼虫と成虫では前翅の幅の分、ひとまわり大きく見える。

それにしても、ウワサ通り、ド派手な赤と黒。



羽化が始まってから、終わるまでの時間は約50分程度。ド派手な赤がシックな黒と白に落ちつくまで、さらに2時間を要した。

今回、数匹の羽化を観察したが不思議に感じたことがひとつ。
羽化を終えたヨコヅナサシガメは必ず自分の抜け殻に挨拶でもするように ” 抜け殻 ” を前脚でトントンと軽くたたき、その場を立ち去って行くのだ。コレは何を意味するのだろう。(同様の ” 前脚ノック ” は羽化のあとすべてで観察)
アカスジキンカメムシは羽化のあと抜け殻をその場から ” 蹴落とす ” と聞いているが、ほかの昆虫の羽化でも、このような ” 前脚ノック ” はあるのだろうか (?_?;
ヨコヅナサシガメの羽化。できるなら、羽化が始まる直前から観察できるのが理想だったが、それはまた次の機会にしよう (^O^)v
刺されたことはないけれど
ヨコヅナサシガメはオオトビサシガメと並ぶ、日本産サシガメ科中最大級の種。
サシガメは ” カメムシ目カメムシ亜目のサシガメ科の総称 ” で、カメムシと同じように強烈な臭いを出すサシガメもいるので、刺されることのほか、臭いにも注意しなければならない !!

ワタシはこれまでサシガメに刺されたことはないが、ある方から聞いた話だと、いきなり首筋に激痛が走ったので手をあてると、そこにサシガメが止まっていた。当然だがサシガメはお医者さんのように刺す前に『チクッとしますよ』とは言ってくれない。もちろん首と手には特有の臭いが付いたそうだ (^_^;)

草食系は害虫?
ワタシ的にはオオヘリカメムシは、会うたび、いつも十分に大きいカメムシと思っている ^^;
カメムシが草食性(植物食性)なのに対し、サシガメの仲間は肉食性で昆虫を常食としている。この食性の違いからカメムシはどこに行っても害虫呼ばわりされているが、サシガメは害虫を食するため ” 益虫 ” と言う説がある。これはあまりに不公平な見方ではないだろうか (^_^)v


画像はないが、これからアザミの花が咲くころになるとオオヘリカメムシが柄にもなく厳つい姿でアザミの花に鎮座しているのを頻繁に見かける。あなたはそれをどうご覧になるだろう・・・。